外国の簡易協議離婚（未成年の子供と共有財産を持たない場合）の登録
概要
ブラジル国籍を持つ方の婚姻が外国官公庁により執り行われた場合、その婚姻は、ブラジルの法律によっても有効と認められます。よって、外国で婚姻登録をされたブラジル国籍の方は、ブラジルにおいても婚姻者とみなされます。にもかかわらず、もし未婚者であると申告する場合には、ブラジル刑法により定められている通り、偽証罪を犯すことになり、また、新たな婚姻登録を行う場合は、さらに重婚罪を犯すことになります。
その国での離婚判決がブラジルの民事登記所（Cartório）により承認された後、新たな婚姻の登録が可能となります。
外国の簡易協議離婚のブラジルの民事登記所による登録
外国の「簡易協議離婚（未成年の子供も共有財産も無く、単に婚姻関係の解消のみを伴う離婚）」の場合は、対象となる婚姻が登録されているブラジルの民事登記所において、直接登録されることができます。
この場合、離婚事実の婚姻登録謄本への記載のため、外国離婚判決の連邦高等裁判所（STJ）による事前の承認、又は他のいかなる法務機関による表明も必要ではありません。
外国協議離婚が未成年の子供、共有財産分与、及びその他の判決を伴う場合
外国協議離婚判決が婚姻関係の解消だけでなく、子供の親権、養育費、さらに財産分与などの規定にも及ぶ「選定協議離婚判決」の場合には、引き続き、連邦高等裁判所（STJ）による事前の承認を得ることが義務付けられています。
ブラジルの民事登記所での登録手続き
離婚の登録手続きは、ブラジルにて婚姻の登録がなされている謄本のある民事登記所にて、直接行われることができます。希望される方は以下の手続きをお取りください：
日本における手続き
-
外国離婚判決、及び確定判決であることを証明する書類を外務省に提出し、ハーグ・アポスティーユ証明を取得してください。
ブラジルにおける手続き
-
ブラジルの公認翻訳者（Tradutor Juramentado）による外国書類（離婚判決と確定判決の証明書類）の翻訳を用意してください。
-
離婚の対象となる婚姻が登録、又は転記届出手続きがなされている民事登記所にて、直接離婚判決の登録を行ってください。
⚠️ ブラジル領事機関、又は外国官公庁による婚姻登録の「転記届出手続き」（Traslado）をまだブラジルの民事登記所にて行っていない場合は、まずその手続きをお済ませください。
⚠️ 離婚の後、独身時の氏名を名乗ることを希望する場合には、外国の法律がその改名を認める場合、又は希望者が自身の改名をその国の民事登録書類により証明できる場合を除き、外国離婚判決上にその内容明記がされていることが必要です。
⚠️ 外国離婚判決のブラジルの民事登記所における直接の登録手続きのためは、弁護士、又は国選弁護人を代理人として立てる必要はありません。
領事業務
ブラジル領事館は、たとえ「簡易協議離婚」の場合でも、婚姻登録証の発行による協議離婚判決の登録を行うことはできません。
よって、領事館による証明書の発行や業務手続きの際には、申請者の婚姻歴は、常に提出されたブラジルの身分証明書にあるものに従って定められます。
この結果、結婚歴に「離婚者」を名乗るためには、ブラジルの民事登記所により発行された、離婚登録の記載がある婚姻登録証明書の提出が必要となります。
ブラジル民事登記所で適用されるべき上述の法規定を順守されない場合に生じる支障を避ける目的で、同内容を含む、国家法務審議会（CNJ） の法規定（2016年第53号）を、以下の（ポルトガル語）リンクよりご覧ください。